JCCI UK
在英日本商工会議所
Salisbury House, 
29 Finsbury Circus,
London EC2M 5QQ

Home > Interview

Interview「代表が語る」


起業家インタビュー第8回 松尾 卓也氏 [2/3ページ]


松尾:「安かろう、よかろう」しかも日本語でレポートが出てくるということで、すごく喜ばれました。しかし、全部しわ寄せは自分のほうに来てしまいました。大資本、例えば、なんとか総研とか、長期的に3-5年やるとニーズはあると思います。うちはそうではないので、そこまでのリソースが難しいと思いました。

デリーのほうも、当時は大きなセミナー開いて、錚々たる企業100社以上に集まっていただき営業活動を順調にしていました。デリーにはまだ会社を残しています。ただ、Proactiveな営業はやっておらず、受けるだけです。デリーの問題は、フィーがダブルスタンダードがありまして、インドFeeはとても安い。(笑)もちろん、欧米系がきて高いのはありますが、また、インド系でも高いのもあるのですが、ちょっとした調査はものすごく安い。もともと人件費を含めて物価が安いですし。そういうところと競争する場面もでてきて、全然Payしないなということになりました。また、前から進出して個人で成功なさっている方もいますし、また大手総研数社がちょうどオープンしようとしているところで、やはり片手間では難しいかなと。また、2010年、2011年は、ほぼ毎月、ドバイ・インドとずっと出張で、大変でした。

廣綱:そうですよね。あの頃、全然イギリスにいらっしゃらなかったですよね。

松尾:そうそう。ものすごく危機感、どんどんお金が出ていくので、ものすごく営業をかけたのです。デリーでも、皆さん会ってはくれるのです。よい調査会社があれば彼らも助かるから。見積もりも出すのですが、見積もりがなかなか合わない。欧州で普通の感じで出すと少し難しい。ただし、もう少し大きなプロジェクトで、大きな国際的なコンサルとか会計事務所とかを使うときは予算があると思うのですが。そういう面で、単身でやるのはしんどかったなと。そうこうしているうちに、自分自身もものすごく疲れてしまって。(笑)これはSustainableではないと、自分自身も。(笑)ということで、精神的にかなり苦しい状況になって、それなりにコストも出ましたけれど、それ以上傷口を広げるのはまずいということで、積極的なものはやめました。でもその3年は、自分自身にとってはとても良い経験になりました。中東をある程度知ることはできたし、インドは現場でこんな感じなのだなということも分かりました。でも、やはり難しいなと。(笑)同時に色々なことをやらなければならなかったので、ある程度の資本がある人が人とお金を使ってきっちりやらなければならないなと。なので、今度の冒険は失敗したなと。(笑)

オフィスに関しては、今のStrandのオフィスも20年ぐらいいて、その前はCovent Garden、最初は自宅兼、一人でSloan Squareでやっていました。 今のところもコストが3倍ぐらいになっており、リサーチャーも最近では自宅作業の人も多いので、オフィスが空いてしまっていていかにももったいない。ちょうどリースが今年(2014年)7月にきれるので、引っ越しをすることになりました。

将来については、まだ読み切れていないのですが、こういう調査のニーズがいつまであるのか、そのあたりをどうするかを考えなければならないと思います。

個人的には、日本が大好きなので、できれば、日本半分、こちら(イギリス)半分という風にやりたいなと思っています。そのためには、日本につながるビジネスを何かとも考えていて、日本の強化、展望というと大袈裟ですが、そういうことを考えています。

廣綱:今後の展望はいかがですか? 

松尾: そういう痛い目にあいましたので、(笑)あまりアンビシャスになることはやめようと。(笑)いま現状のお客さんを、リピートが多いのですが、きっちりやって、年々新規もあるし、それでどうにか回っていっているので、そういうのを大事にしたいなと思うことと、「EBS という看板があるので仕事が舞い込んでくるので、ここに(手元の会社案内を指して)ありますように分野が広いので、着実にこなしていき、看板があるうちは、細く長くで、アンビシャスにはならない。懲りてかなり疲れているのですよね。(笑)今のところ、少しおとなしくしておこうと。ま、もう少ししたらまた変なことを考えるかもしれませんけど。(笑)