Interview「代表が語る」
起業家インタビュー第10回 ドゥルーリー 和枝氏 [3/3ページ]
松尾：中江：今後、イギリス等で起業をされる方々へのメッセージをお願いできますか。
和枝さん：イギリスに限らないのですが、私のモットーというのが、何か誰もやっていない業態とか、隙間・ニッチマーケットを見つけ出し開拓するという事です。正直言いまして私怠惰なので、最小限の努力で最大の利益を得たいんです（笑）。例えば香港時代：日本の企業・投資家がバンバン香港に進出していたにも関わらず、外資系金融証券会社の債券営業で日本人は私の他に1人しかいなかったです。そこで香港に行けば、ライバルは1人しかいないので、マーケットシェアが取れるだろうとJP Morganにお願いして派遣してもらったんです。今のお仕事も最近まで日本人のファイナンシャルアドバイザーは英国には誰もいなかったので、やればなんとなかるかなって思ったんです。
あと英国に関して言えば、起業しやすい下地はすごくあるので新しい分野とかでも結構自分のアイディアを持っていけば、門戸は開けると思います。日本で就職するには、経験がないと難しいことが多いですよね？ 私が知人のつてでLighthouseに私のバックグラウンドと、こういったマーケットを開拓したいという提案書を出したら、「面白そうだね、やっちゃいなさい」と即答でした。
中江：懐が深い？
和枝さん：例えば、私はしたことないですが、営業の電話を誰も知らない人にかけても、面白い話だったら結構聞いてくれる。その辺はとてもフレキシブルでやり易いかなと思います。
あとは、実力主義。やるだけやれば結果が享受できる。私は白黒はっきりしているのがすごく好きなので、シビアですけど、頑張れる人にはその方がいいと思います。ファンドマネージャーなんか特にそうですね。例えば英国の投資信託は全部で3000本ぐらいあるんですが、パフォーマンス1位から3000位まで全部常時発表されています。
中江：最後に、プライベートの過ごし方をお伺いしたいです。
和枝さん：原則的に７時以降と週末は仕事はしないようにしています。見だしちゃうと、考えちゃうのでメールも見ないようにしています。
趣味といいますと、ここ10年ぐらいはテニスですね。2年前までコッツウォルズに週末の家がありまして、近くのテニスクラブに入りプレイ始めたら結構真剣にクラブ対抗試合とかも出るようになって。今は100％ロンドンに住んでいますが、地元のクラブに参加しリーグ試合にも出ています。今年の夏は猛暑の時、10時半から2時半まで炎天下で試合で気絶するかと思いました（笑）。
後は、海ですね。高校時代にサーフィン、大学時代はウィンドサーフィン、英国ではチェスターハーバーのヨットクラブに入りレースに出たりしていました。もちろん、スポーツだけでなくお食事・お酒は大好きなので、ホリデーで海を見ながら食べたり飲んだりするのも趣味です。
中江：ヨットですか、おしゃれですね！
和枝さん：私が乗っていたのはエンジンがなく帆だけで走るXODという3人乗りのヨットです。英国本土とワイト島の間の英物海峡で活発にレースに利用されるヨットです。レースはいつも20隻ぐらい参加、海の上の数個のマーカー（浮き）を回って一番早く戻て来たボートが勝ち。干潮・満潮や海と陸の地形、風向きや強さを総合的に判断してベストのルートを決定、3人で力を合わせ方向転換したり、補助の帆を出したり入れたりすごく忙しいです。ヨットっていうと、おしゃれな感じがするんですけど、寒く雨の時もあり、辺持久力と耐久力がためされるスポーツだと思います。3人の内誰かがへまをするとヨットが沈みかねませんしね！晴れれば本当、快適です。
基本的にアウトドアが大好きで、普段仕事では専門文書をじっくり読み込んだり、投資のチャートや数字を分析したりしなければならないので、週末は出来るだけリラックスして目や脳をお休みさせたいと思っています。
中江：それが忙しい仕事をこなしながら成功されている秘訣なのかもしれませんね。今日は、お忙しい中、貴重なお話をお伺いさせて頂きまして、ありがとうございました。
インタビュアー：中江 健（JCCI起業部会会長2019-2020、Sandton London EC1Y Ltd）
インタビュー＆撮影：2019年10月23日
インタビュー後記
英国唯一の日本人Chartered Financial Plannerである和枝さん。ファイナンシャルアドバイザーとして、幅広く、深い専門知識をお持ちな一方で、とても気さくでフレンドリーな人間力に溢れた方だなとお話させて頂きながら感じました。私も同じ金融系出身としては見習うべき所が沢山ありました。もっと趣味のヨットのお話を詳しくお伺いしたかったのですが、次回お会いした時の楽しみに取っておきたいと思います。